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インクルーシブ教育とは#4(「特別支援教育の在り方に関する特別委員会 論点整理」)

平成22年12月24日「特別支援教育の在り方に関する特別委員会 論点整理」についてです。時系列的には「改正障害者基本法」の前になります。

1.特別支援教育の在り方に関する特別委員会「論点整理」について

特別支援教育の在り方に関する特別委員会(以下 特別委員会)※1」の(第1回)~(第8回)に議論された内容の論点をまとめたのが、「特別支援教育の在り方に関する特別委員会 論点整理」(以下「論点整理」)です。

(第9回)には、「特別支援教育の在り方に関する特別委員会論点整理に関する意見募集の結果」について話されています。

 

特別委員会の

(第5回)で論点整理に向けての意見が出され、

特別支援教育の在り方に関する特別委員会(第5回) 議事録:文部科学省

(第6回)に委員長試案、

特別支援教育の在り方に関する特別委員会(第6回) 議事録:文部科学省

(第7回)(第8回)に案が出されました。

特別支援教育の在り方に関する特別委員会(第7回) 議事録:文部科学省

特別支援教育の在り方に関する特別委員会(第8回) 議事録:文部科学省

平成22年12月24日に「論点整理」が出されます。

平成22年12月24日

特別支援教育の在り方に関する特別委員会 論点整理:文部科学省

※1「特別支援教育の在り方に関する特別委員会」についてはこちら。

inclusive.hatenablog.jp

2.「特別支援教育の在り方に関する特別委員会 論点整理 概要」

 1.インクルーシブ教育システム構築に向けての特別支援教育の方向性について

インクルーシブ教育システム(包容する教育制度※2)の理念とそれに向かっていく方向性に賛成

インクルーシブ教育システムにおいては、同じ場で共に学ぶことを追求するとともに、個別の教育的ニーズのある児童生徒に対して、その時点で教育的ニーズに最も的確にこたえる指導を提供できる多様で柔軟な仕組みを整備することが重要。子ども一人一人の学習権を保障する観点から、通常の学級、通級による指導、特別支援学級、特別支援学校といった、連続性のある「多様な学びの場※3」を用意しておくことが必要。

・障害のある子どもと障害のない子どもが共に学ぶことは、共生社会の形成に向けて望ましいと考えられる。同じ社会に生きる人間として、お互いを正しく理解し、共に助け合い、支え合って生きていくことの大切さを学ぶなど、個人の価値を尊重する態度や自他の敬愛と協力を重んずる態度を養うことが期待できる。

・インクルーシブ教育システム構築に向けての今後の進め方については、短期と中長期に整理し段階的に実施していくことが必要。

 

2.就学相談・就学先決定の在り方について

・一人一人の教育的ニーズに応じた支援を保障する就学先を決定するため、また、本人・保護者、学校、教育委員会が円滑に合意形成を図るため、医療や福祉の関係部局等との連携を図りながら、障害のある子どもの教育相談・支援を乳幼児期を含め早期から行うことが必要。

・就学基準に該当する障害のある子どもは、特別支援学校に原則就学するという従来の就学先決定の仕組みを改め※4、障害の状態、本人の教育的ニーズ、本人・保護者の意見、専門家の意見等を踏まえた総合的な観点から就学先を決定する仕組みとすることが適当。その際、本人・保護者に対し十分情報提供をしつつ、本人・保護者の意見を最大限尊重し、本人・保護者と教育委員会、学校等が教育的ニーズと必要な支援について合意形成を行うことを原則とし、最終的には市町村教育委員会が決定。本人・保護者と教育委員会、学校等の意見が一致しない場合の調整の仕組みについて、今後、検討していくことが必要。

・就学先決定後も、継続的な教育相談を行い、個別の教育支援計画を見直す中で、柔軟に就学先の見直しを図り適切な支援を行っていくことが適当。

・市町村教育委員会は、障害のある子ども本人・保護者に対して十分な相談・情報提供ができる体制を整備することが必要。その支援のために都道府県教育委員会は、専門的な相談・助言機能を充実・強化することが必要。

 

3.インクルーシブ教育システムを推進するための人的・物的な環境整備について

発達障害も含め、特別支援教育の更なる充実のため、現場での意識改革、指導方法の充実、人的・物的な環境整備等が必要。

合理的配慮※5については、ソフト・ハードの両面が必要であり、今後、障害種別の内容も含めて一層の検討が必要。

・特別支援学校と幼稚園、保育所認定こども園、小・中・高等学校等との間で行われる交流及び共同学習を一層推進するとともに、例えば、居住する地域の小・中学校に副次的な学籍を持たせるなど一層の工夫が必要。

・特別支援学校のセンター的機能を一層活用することが必要。

 

4.教職員の確保及び専門性向上のための方策について

・インクルーシブ教育システムの構築のため、教職員の確保や教員の専門性の向上を図るための具体的方策として、大学での教員養成の在り方、管理職を含めた現職教職員の研修体系、採用・配置などについて、今後検討していくことが必要。

3.第25回障がい者制度改革推進会議(2010年11月15日)第3コーナーからの話

障がい者制度改革推進会議でも(論点整理)の案を検討してもらい、いくつかの指摘があり、論点整理はまとめられました。

大切な視点だと思うので抜粋します。

 

○ 竹下委員 言いたいことは必要に応じて文書で出すことにしまして、2点に絞ってお話をします。

1点は7ページなんですが、結局は特別支援教育の考え方の中で今のお話でも、あるいは文面でも権利条約を受け入れて、言わば前進していくんだと言いながら、中身を見てみますと、まさに決定の仕組みのところを見てみますと、従来と全く変わっていない。原則という言葉はやめるんだと言ったけれども、決定のシステム、仕組みというところでは、市町村教育委員会が決定するということで全く変わっていない。

しかも一貫してずっと出てくる言葉が「専門的知識を有する人」で、これは誰なんでしょうか。どんな専門的知識なんでしょうか。就学先を決めるのに専門的知識が要るんですか。これは結局のところは「専門的知識を有する人」という言い回しの中で、本人の自己決定権や選択権を奪おうとする流れが、非常に色濃く出ていると言わざるを得ません。これが1点目です。

2点目は、そのときに地域の条件などを考えることが文言上書かれているわけでありますが、これは残念ながらこれまでの統合教育等における矛盾や、現場における声を反映していないことから来る言葉だと思います。とりわけ視覚障害者で言いますと、当事者団体の声が意識的に特別委員会から排除されているために、伝えることができなかったことは非常に残念でありますけれども、例えば点訳があるかないかによって、統合教育を拒否されたり受け入れたりするという現実を踏まえたとき、こういう言葉にはならないことを付け加えて終わります。

○ 北野委員 

私はやはり財政的な措置を日本のインクルーシブ教育全体に対して、高いインセンティブをあげてほしい。

OECDから見ても日本の教育予算というのはOECDの中で最低です。福祉だけでなくて教育全体の予算をOECDでの平均並みにしていくということは、これからとても大事なことです。予算も活用していきたいと思うんですけれども、問題はその次のインクルーシブ教育システムと地域性のところで、インクルーシブ教育のためには障害のある当事者がどれだけ社会に参加できるかが問われている。インクルーシブ教育システムの推進に当たっては普段から地域でと書いてもらって、地域の学校に学籍を置いてと書いていますけれども、根本的に違うのではないか。つまり、初めから一緒に学校でともに学び、ともにいろんなことをしておれば、この目的が達成される。ここは学籍の問題ではなくて学校で普通に学ぶということが基本にあれば、こういうことは達成できる。

5ページでも通学の利便性の向上のために特別支援学校の分室を設置するなど、地域化を進めている都道府県もあるとありますが、そういう問題ではないのではないか。アメリカでもイギリスでも書いてもらっている中で一番表現が足らないのは、基本的に最も制約の少ない環境であるとか、最も統合された環境で教育を受けることが前提なんです。restricted environmentであるとかmost integratedなenvironmentでともに教育を受ける、サービスを受けるということ、つまり基本は地域で普通学校、普通学級で受けることが原則である。その原則ということを明確にうたわない限り、こんな小手先でいろいろ書かれても結局は原則は貫いていないといいますか、私はそこが全体を読んでいて原則が不明確だなと思います。

例えば8ページでは、原則ということが見えないためにこういう表現が出てまいります。<6>で地域の事情等により環境整備に困難が予想される場合には、本人・保護者にあらかじめ受けられる教育や支援について説明し、十分な理解を得るということは、これはごめんなさいということですね。昨年の奈良県のケースでもそうなんです。ごめんなさいではないということです。バリアフリーであるとかインクルーシブなシステムというのは、それをすることが当然のことでありまして、しないことが差別であることを今回の法律はうたっているんですから、ごめんなさいでは済まないということだけを明確に。

では予算制約性の問題はどうなのかということなんですけれども、ここでも誤解をされておられます。11ページのところで非常に大きな誤解があります。それはいわゆる合理的配慮について非常に大きな誤解をされています。合理的配慮もあるけれども、均衡を失した場合に過度の負担に対してアンデューハードシップがあると書いておられますが、これはアメリカのADAも含めて、教育法で言えば基本的に民間のサービス上にこういう表現はあるんですけれども、公的なシステムにおいては当然連邦法の予算の制約を受けておりますので、連邦予算の制約を受けている場合にはリハビリテーション法の504条項が機能いたします。ですから合理的配慮ではなくて、バリアフリーすることは義務づけられております。ですからアンデューハードシップなんて議論は成立しないんです。

基本的にそれは権利としてバリアフリーで、公的機関、公教育の機関はバリアフリーにすることは最低の条件でして、それはもう義務づけられておって、プラス一人ひとりにより細かい配慮が要る場合に合理的配慮の問題が出てくる。それに関しても公教育の場合には504条項が働きますから、当然それについては予算が降りてくる。ですからここはアメリカの仕組みを誤解されていると思います。

そういうふうに言い出したらいろいろあるんですけれども、11ページの上の方で悲しい表現がありまして、環境整備が進まないままインクルージョンを進めることは、結果として教育のダンピングを招いてしまうという表現は、私は非常に危険な表現だと思います。例えば今日皆さんにお配りした資料でもボツにしてくれと申しましたけれども、例えば特別支援学校の子どもさんにかかっている予算は1人当たり850万です。一方で普通学校や特別支援学級でいらっしゃる方については80~90万ですから、100万かかっていない。つまり特別支援学校で10倍以上の予算がかかっている。ですから当然それに基づいて普通学校、普通学級で予算が特別支援学校から普通学級に予算が回れば、ダンピングなんてことが起こるはずがないんです。つまりより高い支援が普通学校の普通学級で受けられることになりますので、この表現も私は非常に納得のいかない表現だなと、もう少しそういうことも含めて考えていただきたい。切りがありませんけれども、この辺で終わらせていただきます。

○ 大谷委員 大谷です。机上配付させていただきました。11月11日付でこれはインクルーシ議員連盟で、私と文科省の方がヒアリングを受けましたので、そのときに出した書面を出させていただきました。時間がなかったので主にインクルーシブ教育システムと就学決定手続について反論させていただきました。

一番言いたいことは、まず最初の出だしがインクルーシブ教育システムにおいて重要なことは、多様な学びの場を用意しておくことであるという結論が、私はどうしても論理的整合性も含めてどうしてそうなってしまうのか全く納得できない。従来からインクルーシブ教育システムというのは、学びの場を統一して統合し、そして支援することである。これは一致していることだと思うんです。統合して支援する。にもかかわらず委員長試案は形式的に場を一緒にするのではなく、多様な学びの場を、と言っているんです。形式的に場を一緒にして済むなんてことは誰も思っていない必要な支援をしてくれ。その場合に多様な支援をということはあっても、多様な学びの場になってしまうのかが全く理解できない。統合した上での多様な支援をということであるならば、私はスタートにおいて一致したなということで安心して読めるんだけれども、まずスタートが違う。これは非常に驚きでしたので、是非ここは再考していただきたいところです。

時間がないから全部指摘することはできませんけれども、ともに学ぶと言っておきながら、教育条件が大幅に改善されない状況の中ですると形式的な平等化になってしまう。こう言っていますけれども、実質的に平等にするためにはそれこそ多様な支援をする。統合した上での支援をと言っているので、まず今はお金がない、何もできないからだめなんだ、支援はないんだということを前提にして話が進められているようですので、それもまた再考していただきたいと思います。

第三にインクルーシブ教育システムと地域性についてなんですけれども、インクルーシブという世界的な流れに関してこのままではいけないと思った挙句が、居住地校に副次的な学籍を置く、となっているんです。ここは制度改革を議論しているので、まず原則学籍を地域の学校に置き、支援籍を特別支援学校に置くというならわかります。言葉をすべらせたのかなと私は思いますけれども、今、課長は交流教育を盛んにやっているところもあるとおっしゃいましたが、これは資料を後で提出したいと思っていますけれども、交流教育はそんなにできていないんです。1年に1回、それも間接交流しかないとか、連れていくのも大変、学校の先生も大変。特に文科省は国際的な流れを意識して地域に支援籍を、地元校との支援籍をと言っているから、特別支援学校から地元校に連れて行かなければいけない。そうすると学校の先生はそんなに連れて行けない。だから交流なんてそんなにできていないんです。やっとできても本当に仲間になるような交流教育なんかできない。たまたま1年に1回会えるか会えないかの交流教育しかできない。こんなことでインクルーシブ教育システムなんてとても言えることではないと思います。

もう一つだけ、一番仕組みのところだけ是非忘れていただきたくないのは、竹下委員が言ったように全く現状どおりなんです。なぜ現状どおりかということを少し私の経験も含めて調べさせていただきましたけれども、同じなんです。就学先決定を総合的に判断するというこの仕組みは昭和53年、1978年の「54義務化」を前に文科省が発表した通達なんです。これはただ単に医学的な判断、22条の表だけでなくて心理学的、教育的観点から総合的に決定すべしというのが通達で出ているんです。ですから医学的だけではなくて、確かに障害が重くても地域の学校に行けている子がいました。それは心理的、教育学的観点からでした。53年の309号通達でずっとそういうふうにやってきた。そして変えたのは平成14年、2002年の認定就学のときに変えただけ。なぜ変えたかというと、そのときには地域の学校に受け入れ態勢があるならば、通常だったら特別支援学校に行かなければいけない子も、地域の学校に受け入れ態勢があるならば、地域の学校に措置してもいいという意味での認定就学を入れたときに通達を変えて、それが平成14年の2915通知です。

これと今の委員長試案とどこが違うのか。文言がほとんど同じなんです。どこも違わない。私たちが知りたいのは22条の3のまさに医学モデルの典型の表を撤廃するのかどうか。ああいう一律の就学基準をもうやめようというスタンスに立つのか。就学基準を設けるならば、あれを権利性のある規定にするためにはどうしたらいいのか。そこを議論していただきたい。にもかかわらず、就学決定手続の中で就学基準という言葉を生かし、そして総合的判断ということを言いながら、それは1978年から30年ずっと同じことをやっていることを、何でこの時期に委員長試案で出るのか。私には全く理解できないんです。

せっかく特特委でいろんな方が議論なさっているんだったら、もう少しいろんな資料を見ていただきたい。これが「54義務化」の前に出した通達と同じものなのか。どこが新しく変わるのか。全然変わらないではないかということも含めて私は精査していただきたいと思います。私はまだこれが試案という形で出たときに、こういう形で文科省の方がヒアリングに来てくれたことをとてもうれしく思います。ですから、これが変わり得るんだ。この試案はまさにたたき台だということで、これからまだまだ変わり得るということを是非踏まえて、今日持ち帰っていただきたいと思います。

合理的配慮に関しては決定的に誤解があるのではないかということに関しては、既に北野委員が言ってくださいましたのでもう触れませんけれども、私は就学決定手続のところだけでも資料を見直していただきたい。同じことを同じようにやって改めるなんて言わないでもらいたい。これでは改まりません。ですから、そこのところだけでももう一度検討し直していただきたいと思います。

以上です。

 

○ 尾上委員 

1つは先ほど北野委員がおっしゃられたアメリカにおいてという話がありましたが、韓国においても2007年に障害者差別禁止法ができて、そしてインクルーシブ教育が原則であることが明確になった上で、学校において運用上まさに義務としてそういう条件をつくっていかなければいけない。アメリカと同様なものであるということを申し上げておきたいと思います。

その上で政府同士の機関ですので、私ども推進会議の方で議論をし、まとめ上げた第1次意見書はちゃんと正確に読んでほしいと思います。この委員長試案の中では、これは既に何人かの方が言われていますけれども、形式的に場を一緒にするのではなくてとありますが、推進会議はそんなこと一言も言っていないです。原則は地域、その上で当然のことながら当該学校が必要な合理的配慮や支援を講ずるということを言っています。あたかも何か私ども推進会議が形式的な場を一緒にすると言っているかのような、誤解に基づく記述はやめていただきたいと思います。そういう意味では形式的に場を一緒にするというよりは、地域の学校を原則にするのがいの一番で当たり前であって、その上で本人・保護者が希望する場合は、勿論今までどおり特別支援学校も選べるという仕組みにした上で、どこにおいても必要な合理的配慮と、支援を得られる仕組みを私たち推進会議を提案しているということを、特特委の委員の皆さんに誤解のないように事務局として責任を持って伝えてください。こんな誤解に基づいた記述で、試案をまとめないでいただきたいということが1つでございます。

もう一つが先ほどの、これも何人かの方がおっしゃっていましたけれども、試案7ページの就学先決定の仕組みで、特別支援学校に原則就学するという従来の就学先決定の仕組みを改める。ここだけ見るとすごく期待してしまうんです。つまり、特別支援学校に原則就学するという従来の仕組みを改め、原則地域の学校で学ぶという仕組みに改めた上で、本人・保護者の希望を尊重して、特別支援学校も選べるという仕組みにしてもらえたらいいだけなんだと思うんですが、そこはそうではないというのが一番気になるところであります。

これも誤解のないように言いますけれども、推進会議は別に特別支援学校を廃止するとか、そんな記述は1つも第1次意見にはないです。つまり本人・保護者が希望する場合は今までどおり、あるいはこれからも特別支援学校を選べる。でも今の学校教育法施行令第5条、つまり原則特別支援学校に行くという仕組みの中でやはり泣いている本人さん、親御さんがいる。これを何としても解決しなければならないということで第1次意見書を出したということは、しっかり踏まえていただきたいと思います。

そしてそれは絵空事ではないということをもう一つ指摘をしたいと思います。これは今日、北野委員から出ている資料で東大阪市の仕組みを書かれた7ページのところです。ルビがないみたいで土本さんには申し訳ございません。3月に推進会議で東大阪市における就学先決定の仕組みということで、市政だよりのコピーをお持ちしてお渡ししました。その就学先決定の仕組みで、まず障害のあるなしにかかわらず就学通知を、その地域の小学校、中学校に就学するという通知を出した上で、本人・保護者が希望する場合は12月までに教育委員会は学校に申し出れば、当然先ほども申しましたが特別支援学校も選べる。特に希望しなければ当たり前に地域の学校に行ける。これで泣いている人はいません。そして実際これは2年目になっています。この説明をさせてもらったのは去年の秋ということでした。今年の秋も全く同じ市政だよりが全校に配布されている。現場は全く混乱しておりません。そういう意味で、こういう形でやっておられる仕組みをしっかり事務局として学んでいただいて、資料提供を特特委の皆様にもしっかりお伝えくださいということを以上お願いしたいと思います。

○ 長瀬委員 

私から1点だけ申し上げたいと思います。これは国連の人権高等弁務官事務所が今年4月に出したもので、障害者権利条約のモニタリングに関する資料です。私が訳させていただいたものは8月11日の第2回の特特委でも、大久保委員を通じて資料として提示させていただいているのですけれども、これは既に御承知のように、国連ジュネーブでは批准した国では国際的なモニタリングのプロセスが始まっておりまして、日本もあと3年か4年先に批准した際には、こうした資料に基づいて日本の障害児教育政策に関してのいろいろな審査が行われるということですので、今からこうしたものを念頭に置いて、批准のための障害児教育に関する見直しも是非行っていただきたいと思います。

既に御承知と思いますが、一般的モニタリング質問ということで一番最初に出てきますのは、障害のある人はあらゆる段階におけるインクルーシブな教育が利用できるのか。尊重すべき義務としまして、国は明示的にインクルーシブ教育への権利を認めているのか。国は障害のある生徒が就学を義務づけられている分離学校制度を、維持しているのかという点がございます。時間がありませんので1点だけに絞らせていただきますけれども、こうした観点から考えましたときに、現在の就学先決定の現在の仕組みに非常に問題があります。権利条約のモニタリングの文章からしても、非常に問題のある状態が続いています。

ですので文部科学省としても、この条約批准を機会に見直す本当にいいチャンスだと思いますので、先ほど課長からも前回の特特委の中で就学先決定の仕組みのところで本人・保護者の意見を尊重することでは足りなくて、本人・保護者の同意を確保するという意見が出されているという御紹介がありました。そういった点を是非、最終的な意見では反映して、障害者の権利条約の批准に向けて大きな前進を進めていただきたいと思います。ありがとうございます。

○ 新谷委員 新谷です。1点だけです。

2ページの括弧の中の総論部分に、多様な学びの場を設けると言いながらカスケードという括弧付きがついています。これはお考えになっているのは、多様な学びの場に価値序列をつけているような印象を受けるんですけれども、せっかくインクルーシブな教育でさまざまな支援の形でいろんな学びの場をつくっているのに、そこにカスケードという表現をすると、これは上の教育の場だ、これは下の教育の場だみたいな変な話が出てくるのではないかと思うんですが、その辺でどんな学びの場も価値的には同じなんだ、そこの支援の在り方がそれぞれいろんな異なった面があるんだ。こういう中にインクルーシブ教育をイメージしているんだという理解があったと思うんですけれども、その辺についてのお考えをお聞かせください。

○ 東室長 意見ということではありません。2ページに参考資料2としてgeneral education system(教育制度一般)の解釈についてという資料が本来添付されているようです。今日は委員の皆様にはルビ付きが間に合わずに配付しておりませんけれども、この参考資料2は文科省が外務省に問い合わせて、以下の回答があったという紙になっております。そこにはgeneral education systemを教育制度一般と訳して、この中に特別支援学校等の教育も含まれるということかについて、YESと答えた文書が出ています。しかし、general education systemを教育制度一般と訳することについては、多くの人がおかしいと言っているわけです。

確かにこういう議論が第8回の特別委員会であったことは事実です。しかし、それは極めてインフォーマルな会議で、しかも一部の国が集まって議論したというだけに過ぎません。そこでのインフォーマルな議論が第8回の公式の場できちんと述べられて、それに基づいて採択されたという経緯はありません。しかしながら、こういう形で意味自体が本来は一般教育制度と訳すべきところを、教育一般制度という形で訳した上で、外務省のお墨付き的な文書が出ていますけれども、今この外務省が出している訳は変わっているわけです。

そういう中にあって、これはいつの時点での、日付も何もありません。外務省がこういう解釈を今もとっているかどうかは聞いてみなければわからないと思います。そういう問題がある文書をあえてこういうふうに出されておりますけれども、少なくともこれはいつの時点でのお話なのか、作成日付等について明確に資料があれば教えていただければと思っています。

 

○ 千原課長 文部科学省特別支援教育課長の千原でございます。今、委員の先生からたくさんの御指摘をいただきました。大変重く受け止めさせていただきます。すべてにお答えをするお時間も、私も事務局でございますので委員会を代表してという立場でないので、今の御指摘を受け止めさせていただくということではございますが、幾つか例えば新谷委員から、カスケードについて序列をつけている感じということがございましたが、これについてはどれが上でどれが下という趣旨があるとは、事務局としては当然思っておりません。それぞれ大事な多様な学びの場の1つであろうと思ってございます。

東室長からgeneral education systemについていつのことかという御指摘については、これは第4回か第5回のときに特別委員会で御紹介する前に、文部科学省から外務省にこういう理解でいいかということを確認させていただいて、出させていただいたというのが客観的な御説明でございます。

制度が変わっていないのではないかという観点について、先生の御指摘がたくさんありましたが、文部科学省としては現在は就学基準というものが1つの判断基準となって、それに該当すれば原則特別支援学校に行くという現在の制度でございますけれども、今、委員長試案に書かれている形では、いわゆる就学基準というものが判断の1つの材料になるという観点では、先生方の意見は十分でないという御指摘かと受け止めておりますけれども、漸進的にといいますか、制度をそこは改めていくというのが今の委員長試案の方向感なんだろうと受け止めております。

とりあえず以上でございます。

○ 藤井議長代理 時間が余りないのですが、北野委員からどうぞ。

○ 北野委員 千原課長にお願いしたいのは、かなり委員もいろいろ頑張っていただいているのを聞いておりまして、例えば8ページ<3>で学校や教育委員会が自分の子どもを進んで受け入れてくれるという姿勢が見られないと、保護者は心を開いて就学相談をすることができないと正直に書いておられて、学校とか教育委員会というのは障害のある子どもを地域で受け入れるという意識を持って、就学相談・就学先決定に臨む必要があると書いてもらっています。もしできましたら、ここで障害のある子どもを地域で受け入れることを原則にして、就学相談・就学先決定に臨んでいくということまで、もう一歩踏み込んだ表現を、基本的に地域で受け入れることを原則にして、そういう方向で今、進んでいるとすれば、そういうことを是非とも御明確にしていただけたらなと希望いたします。

○ 藤井議長代理 私の方から1つ伺っておきたいことは、各則で推進会議も当然教育に関して近々規定ぶりイメージ素案も含めて出てくる。しかし、特特委というのは関係性も無用の混乱があってはいけない。そうしますと気になりますのはスケジュールなんですけれども、千原課長がわかる範囲で、今後特特委の進行状況で、最終的な方向が出るのはいつぐらいなのかということはいかがでしょうか。

○ 千原課長 特別支援教育課長の千原でございます。今、藤井議長代理の御質問については、まず年内に中間的なとりまとめを行っていただく方向で今、動いてございます。この論点整理が更に深化していくような形かと事務局では考えておりますが、具体的に言いますと次回第7回の特別委員会が11月19日でございます。事務局としては委員会での御議論の進捗次第というところがございまして、いつまでに年内のとりまとめが終わるかというのは予断を持って申し上げることはできませんが、前回11月5日に初めて委員長試案が出まして、こういった論点整理に向けて御議論が活発にされたところでございまして、次が19日という段取りでございます。その19日で更に議論が続くようであれば、11月下旬なのか12月上旬に入ってくるのか、そういったところは事務局としては御準備しなければいけないのかなと思ってございます。

以上です。

○ 藤井議長代理 堂本委員、どうぞ。

○ 堂本委員 是非伺いたいのですが、今日大変具体的な質問が各委員から出ました。これを特別委員会の先生方お一人お一人に適切に、正確にお伝えいただくことはできますでしょうか。

○ 藤井議長代理 これについてはいかがですか。

○ 千原課長 特別支援教育課長の千原でございます。事務局として本日いただいた御意見は、特別委員会にお伝えをしたいと思います。

○ 藤井議長代理 東委員から発言を求められています。

○ 東室長 これまで議事録ということでまとめてきましたけれども、公表が遅れているのは各委員の先生からチェックしたものが返ってこないという現状もあるんです。少なくとも今日の議論はきちんと伝えたいと思います。19日に間に合うかどうかはわかりませんが、この部分だけでも早急に皆さんに送りますので、発言された方、そうでない方も含めて即座に返答いただければ、資料として用意できるかなと思っております。

そこでお頼みなんですが、そういう資料ができたらお渡し願えますでしょうか。

○ 藤井議長代理 千原課長、どうぞ。

○ 藤井議長代理 よろしゅうございますね。それは確認させていただきます。尾上委員、どうぞ。

○ 尾上委員 議事録も勿論なんですけれども、それに関わってなんですが、第1次意見をとりまとめるに当って、例えば今日出ていた東大阪の仕組みであったり、あるいは第1次意見でまとめている方向はどういうものかということについて、事実誤認に基づいてのやりとりが続く限りは不毛な議論になってしまいますから、そういった議事録プラスこれまで推進会議の議論で出されてきた資料なども、お渡ししたいと思います。

○ 藤井議長代理 では今日のこの場の内容を特特委にお伝えいただく。ペーパーでも19日に間に合うように準備をするということですね。そして先ほど日程を伺いますと、推進会議は第2次意見とりまとめが12月中旬と予定を組んでおります。そうしますと特特委でのまとめのタイムラグがどう出るのか。これは是非事務局同士で調整をしてほしいと思っております。そういう宿題をお願いした上で千原さん、今日はどうもありがとうございました。

資料1:第25回障がい者制度改革推進会議(2010年11月15日)第3コーナー議事録:文部科学省より

4.補足

「(概要)じゃない版」と「参考資料」をもとに補足します。

特別支援教育の在り方に関する特別委員会 論点整理:文部科学省

特別支援教育の在り方に関する特別委員会 論点整理 参考資料:文部科学省 

・※2「包容する学び」

包容する学びについて

1.インクルーシブ教育システム構築に向けての特別支援

(1)インクルーシブ教育システムと特別支援教育の関係

○1 障害者の権利に関する条約第24条によれば、「インクルーシブ教育システム」(inclusive education system、署名時仮訳:包容する教育制度)とは、人間の多様性の尊重、精神的・身体的な能力を可能な最大限度まで発達させ、自由な社会に効果的に参加するとの目的の下、障害のある者と障害のない者が共に教育を受ける仕組みであり、障害のある者が「general education system」(署名時仮訳:教育制度一般)から排除されないこと、自己の生活する地域において初等・中等教育の機会が与えられること、個人に必要な合理的配慮が提供される等が必要とされている。

参考資料3:障害者の権利に関する条約(抄):文部科学省

参考資料4:general education system(教育制度一般)の解釈について:文部科学省

 また、同じ項目にある、特別支援教育とインクルーシブ教育について

○4 特別支援教育は、共生社会の形成を目指すために必要な要素であり、インクルーシブ教育システムと同じ方向を向いているものと言える。

したがって、インクルーシブ教育システムの更なる推進のため、特別支援教育を発展させ、必要な制度改革を行う必要がある。

このような形で、特別支援教育を推進していくことは、子ども一人一人の教育的ニーズを把握し、適切な指導及び必要な支援を行うものであり、この観点から教育を進めていくことで障害のある子どもにも、障害があるとは周囲から認識されていないものの学習面又は行動面での困難を抱えている子どもにも、更には全ての子どもにとっても良い効果を与えることができるものと考えられる。

・※3「多様な学びの場」

これについては、特別委員会(第5回)で話されていました。

特別支援教育の在り方に関する特別委員会(第5回) 議事録:文部科学省

(第6回)でも検討され、この形になります。

参考資料5:日本の義務教育段階の多様な学びの場の連続性

・※4「就学先決定の仕組みを改め」

 ☆

・※5「合理的配慮」

inclusive.hatenablog.jp

 

4.「特別員会論点整理に関する意見募集の結果」について

資料5:特別支援教育の在り方に関する特別委員会論点整理に関する意見募集の結果について:文部科学省

特別委員会(第9回)より

リンクに行くと分かりますが、意見の数は3324件です。

ちょっとすべてを網羅することはしていないのですが、気になった意見を以下に書きました。

○推進会議の第一次意見についてのみ書かれているが、推進会議は12月17日に第二次意見をまとめている。その内容についても明記すべき。二度にわたって同会議から「インクルーシブ教育制度の構築」を求める意見が出されたことは、極めて重い。

○障害の重い子どもが学級にいて、周りの子どもが優しくすることこそ「共に生き、共に学ぶ」である。

特別支援学級で漢字や計算ができるようになって、社会に出たときに本当に必要な力になっているか疑問。みんなの中でいいことも悪いことも経験しながら育つ方がいい。

○学習スペースの共有のみではなく、内容についても共に学び補完しあうことが必要。

○一時的一過的なふれあいではなく、困難や葛藤の場を共有することが障害のある子どもにもない子どもにも必要。

○「交流及び共同学習」は、分離を前提としたものであり、障害をもたない子どもとの対等な人間関係づくりや障害者差別の解消には結びつかず、むしろ障害者に対する差別意識を醸成してしまう危険性が高いことから、フルインクルージョンが実現するまでの、短期間の「次善の策」であることを明記すべき。

○スクールクラスターはこれまでの特別支援教育の要素を羅列しただけである。

3324件の意見は大変貴重なものだと思います。

こうした考えがあることもきちんと踏まえて、現場でも考えなければならないと思いました。

資料7:特別支援教育の在り方に関する特別委員会論点整理に関する意見募集の結果について(補足:回答者の属性):文部科学省

特別委員会(第10回)より

5.

 

ひとまず「論点整理」については以上。

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