それでも幸せな人はいるから

特別支援学級の担任をしていて感じたこと。幸せな子ども時代を過ごす子どもが一人でも多く増えるように

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集団づくりに必要な視点(信頼関係を構築するロジック)「働きかけ」#3

今回は、
集団づくりのための個への「働きかけ」についてです。
集団づくりには、「安心と信頼」が大切でした。
安心と信頼には、「認めること」が大切でした。
「認める視点」をもてば、あとは大人は何もしないというわけではありません。
絶えず、「働きかけ」をし、子どもをより良い方へと導いていきます。
 
ここでは、「働きかけ、援助(心にとどく、見守る、提案する、投げかける、関係づける)、ことばかけ」について書きます。
 

1.働きかけ

 働きかけ

通常「働きかけ」という場合は、

  • ことばをかける
  • 手伝う
  • 提案する
  • 教える
  • ふれる等

直接的に行う援助、指導を指すことが多い。

発達の独自性や生活の流れ等、働きかけを受ける側の条件をふまえて行なわれる。

・自信がもてなかったり、失意の中にある子どもには、認め、誘いかけ、なぐさめといった質をもつ働きかけ

 ・困難を乗り越えようとしている子どもには、励ましや方向づけの質をもつ働きかけ

・自信にみちている子どもには、さらなる課題や挑戦に向かいたくなる働きかけ

など、働きかけの質や量を吟味する必要がある。

「働きかけ」の具体は以下の「援助」についてで書いていく。 

2.援助

ここでの「援助」の意味は、

 一人ひとりの体験が、成長・発達を促すために必要な教師の活動を総称。

大切なポイントは、

子どもの心に寄り添い、体験していることが子どもの成長に意味があり充実していくように援助していくことが必要である。 

という点です。成長・発達のための意味のある教師の活動です。
 
「認める援助」も援助の一つでした。「認める援助」が受け身な部分があるのに対して、ここでは上で言ったようにこちらからの「働きかけ」となる援助を書いていきます。
 

2.1.心にとどく援助

 個々の子どもをかけがえのない存在として受け入れ、感動を共有し、その心の動きや願いにそって働きかける援助のあり方。

肯定的であたたかい関心を寄せること。 

少し認める援助に近い。このあたたかい関心という前提がすべての働きかけに必要だと思います。すべての働きかけはその子の成長を信じて、その子の幸せを願って実行されるわけです。

2.2.見守る援助

 子どもみずからが主体的にくりひろげる姿にあたたかく心を寄せながらも、教師の指示を最小限にとどめ子ども一人ひとりの成功のようすをとらえる援助のあり方。 

ただ見守っているだけだと受け身の部分が強いですが、こちらから「見ている」を伝えることで子どもが自信をもって、個性を発揮できることがあります。眼差しで安心してもらえるように守るあたたかさで働きかけたいです。

2.3.提案する援助

 生活する中で、活動が行きづまって停滞した時に教師が投げかけるヒントや、より楽しく遊べるためのアイデア、友だちとの関係がうまくいかないで悩んでいる時に活路をみつけることばがけ等、子どもの生活が充実し、より豊かになるための教師の働きかけを「提案する援助」という。 

「働きかけ」の醍醐味だと思います。これが、視覚化されたり、分かりやすく伝えられたりすると、子どもとの個々の信頼関係は強まると思います。「一緒にやる」という提案は特に子どもが前向きに取り組む力になります。また、選択肢を提案し、自己選択力や自己決定力を育み、自己指導能力を高めることができると、集団でも主体的に自発的に活躍できるようになると思います。

2.4.投げかける援助

 教師が教育的な意図をもって、ある状況をつくりだし子どもに出あわせたり、子どもが活動する場面で教師のアイデアや考えを提案する等の援助のあり方をいう。 

小学校では、この投げかける援助がほとんどなのではないかと思います。たとえば、教育的な意図をもってことばかけをしたり、環境を構成したりして、活動に主体性と自発性をもたせ、活動する必然性を引き出すようなところです。また、動機が高まる工夫も大切だと思います。

注意として、

 投げかける援助を子どもがすべて受け入れるというのは、もはや提案や投げかけとは異なり、「操作しているのだ」といわれている。 

というところがあります。しかし、小学校では、多少命令や操作をしてでも、子どもたちに体験をさせる必要がある場面もあります。そこから、学び、成長し、次の活動で主体的に取り組めるようになることもあるから当然ですね。

支援の子には、特にパターンを入れることも大切です。とにかく一度やらせる大切さも小学校ではあるように思います。

2.5.関係づける援助

  人とのかかわりをひろげる、遊びと遊びをつなげる、ほかの場や、状況の変化に着目させる等、子どもの生活を豊かにしていくために、保育者が意図的に、幼児どうしの関係や場の関係、遊びの関係等をつなぐかかわりを、「関係づける援助」という。 

集団づくりにおいて一番重要な援助だと思います。子ども同士を状況や目指す姿に合わせて関係づけて出あわせるわけです。

 

たとえば、遊びに入れてくれないと怒っている子と、いいよって言ったと言っている子がいるとします。こういうときよく水掛け論になっているのですが、こだわっていると休み時間が終わってしまいます。二人にどうしたいのか聞きながら、話を整理して伝え一緒に遊べそうじゃない?ということを提案します。

でも、そしたら、「もういい」って入れてくれないって言っていた子がすねるんですね。そしたら、もう一人も困っちゃう。で、他に周りにいた子にどうする?って聞くと「○○が悪い」って話が始まる。

「そうじゃなーーーーーい!」と思って、「本当はみんなでやりたいって思うなら、こういうときは、たくさんでやろうって励ませばいいんだよ」と言ってみました。そしたら、すねた子に5人くらいで「やろうよ」って励ましに行っていました。みんなで遊びたいという善を生かして行動を提案するとわりと子どもは動いてくれます。その後は、一緒になって遊んでいました。

 

あの子は、「こういう子だから」としてしまわないで、善を信じて、常に働きかけることが大切だと思います。

いつも本を読んでいるからもう誘わないのではなくて、それでも毎日誘う。

3年誘い続けて「分かったよ、行けばいいんでしょ」と笑顔で外に出た子がいました。時は満ちたという感じだったのだと思います。そのみんなと外で遊んでもいいなってピュアに思える、安心と信頼が必要だったのだなと思いました。これは、大人と子どものやりとりだったので、子どもと子どものやりとりだったらきっともっとスピーディに動き出しているのではないかと思います。 

3.ことばかけ

どの「働きかけ」も「援助」もことばを通して行われると思います。ときには、ノンバーバルな援助や、ふれたり、となりに座ったり、ミラーリングをしたり、指を指したり、ジェスチャーしたりも大切ですが、「ことばかけ」のことばを意識して精査することも大切だと思います。

大人も主体性をもって、子どもに有効な自分の個性を選ぶ必要があるわけです。

ことばかけ

教師が子どもに対してことば通して行う援助のあり方の一つである。教師が子どもにことばをかけることによって、

  • 共感や励ましを受け信頼関係が結ばれる
  • アイデアや知識の提供を受ける
  • 漠然とした思いが明確になる
  • イメージが豊かにふくらむ
  • ほかとの関係が広がる等

教育的な作用を及ぼす。
子どもは教師のことばから多くのことを敏感に察知するので、指示・命令のことばは少なくし不用意なことばも慎みたい。

 

しゃべりすぎの教師というのが、よく本や研究協議の場などでも挙げられることがあります。伝えることばは、減るほどいいって言いますよね。一時一事のような視点は有名ですね。
 
集団づくりに向けた信頼関係を構築する「働きかけ」の視点について書きました。
 
次回は、
集団づくりに向けた信頼関係を構築する「心理」の視点について書きます。

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