それでも幸せな人はいるから

特別支援学級の担任をしていて感じたこと。幸せな子ども時代を過ごす子どもが一人でも多く増えるように

スポンサードリンク

【キーワード】他の者との平等

◆うまく当事者になれていない自分は「他の者との平等」の枠や範囲が分からないでいる。「他の者との平等」という言葉は「障害者の権利に関する条約」で使われている言葉だ。しかし、その解釈が定かではない。それは、結局、平等が、各々の視点によって変わってしまうからに他ならないのだが……。
 
「他の者との平等」の解釈について、Googleで「"他の者との平等とは"」と検索し(4件しかヒットしなかった 2015.10.31現在)、その記事を基に考えてみた。
 

1.「他の者との平等」とは、

しばらく「障害者政策委員会」が【障害者基本計画(第3次)】をつくるために会議をしていて、その案の中の「基本的な考え方 基本理念」に「他の者との平等とは」が見られました。
 
平成24年12月10日【障害者政策委員会(第4回)資料】には、
 新基本計画の理念として重要なことは、障害者権利条約が示す他の者との平等を基礎とした障害者の権利の確保である。
 ここで、他の者との平等とは、障害のない一般市民と同様にという意味であり、障害者に何らかの特権を認める趣旨ではない
 そのうえで、この権利が確保されるには、権利の実現を阻む社会的障壁を除去するとともに、障害者の自立と選択及び社会参加を可能とする支援の提供が不可欠であり、このことにより、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生できる社会の実現が図られるべきである。」
とあります。
 
平成24年12月17日【障害者政策委員会(第5回)資料】には、
 「『障害はあってはならないもの』ではなく、人間の多様性及び人間性の一部としてその差異と固有の尊厳が尊重され、障害者が社会に受け入れられることは人類の普遍的原理である。
 新基本計画では、かかる普遍的原理が実現される上で、の理念として重要なことは、障害者権利条約が示す他の者との平等を基礎とした障害者の権利確保されることを重要な理念として取り上げるべきである。
 ここで、他の者との平等とは、障害のない一般市民と同様にという意味であり、障害者に何らかの特権を認める趣旨ではない
 そのうえで、この理念に基づいて、障害者の権利が実効的に確保されるためには、合理的配慮によって権利の実現を阻む社会的障壁除去されるするとともに、障害者の自立と選択及び社会参加を可能とする公的支援の提供が必要不可欠であること、り、さらに、このことにより、障害の有無によってわけ隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生できる社会の実現が図られるものであることが確認されるべきである。
 なお、ここで、他の者との平等とは、障害のない人との実質的な平等という意味であり、それを実現するには、合理的配慮の提供が必要であることも含め、障害者が直面している課題とそれを解決するための方策についての国民の理解を促進することが求められる
(アンダーラインは第4回より修正として追加された文。原文は赤字。)
(太字は私が強調したいところ)
とあります。
 
※(第5回)の(案)は、平成24年12月17日【新「障害者基本計画」に関する障害者政策委員会の意見】としてまとめられる。
 
ところが、
◇平成25年9月【障害者基本計画(第3次)】には、
 「障害者基本法第1条に規定されるように、障害者施策は、全ての国民が、障害の有無にかかわらず、等しく基本的人権を享有するかけがえのない個人として尊重されるという理念にのっとり、全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現を目指して講じられる必要がある。
 この基本計画では、このような社会の実現に向け、障害者を、必要な支援を受けながら、自らの決定に基づき社会のあらゆる活動に参加する主体としてとらえ、障害者が自らの能力を最大限発揮し自己実現できるよう支援するとともに、障害者の活動を制限し、社会への参加を制約している社会的な障壁を除去するため、政府が取り組むべき障害者施策の基本的な方向を定めるものとする。」
(太字は私が強調したいところ)
とあります。
 
※「障害者政策委員会」の【新「障害者基本計画」に関する障害者政策委員会の意見】の意見を基に作られたはずの【障害者基本計画(第3次)】には「他の者との平等とは」という文言は見当たりません。
 
2.なぜ、そうなったかを知りたくて【障害者政策委員会「議事録」】を追ってみた。
 
【(第4回)で関係しそうな箇所】
①「浅倉委員」
 27ページの「2、基本原則」の「(1)地域社会における共生等」という中の3行目に「あらゆる分野の活動に参加する機会の確保」とあるのですけれども、ここにぜひ、障害のない者と平等にとか、あるいは障害のない人と分け隔てなくというか、そういう参加の対応について書き込んでいただきたいと思います。
 
②「関口委員」
 前回の基本計画では、理念としてノーマライゼーションリハビリテーションということが挙げられていたわけですけれども、今回はそういう書き方はしていないです。
 ただ、これをどこに入れるかは問題ですけれども、例えば権利条約の前文のi項では、「さらに、障害者の多様性を認め」という文言があります。権利条約の第3条、一般原則のd項では、差異の尊重並びに人間の多様性の一部及び人類の一員としての障害者の受け入れという文言があります。
 ここで言われている多様性を尊重するということを例えば入れるとしたら、基本理念のところに、平等を基礎とした多様な障害者の権利の確保とか、基本原則の中に何か入れ込むか、あるいは共通して求められる視点のところに、障害者の多様性を認め、その尊厳を認めるということを入れるか、とにかく何らかの形で多様性の尊重というところを入れていただきたいと思います。

 この話の後(第5回)の資料で改められたのだと思います。

【(第5回)で関係しそうな箇所。】
①「新谷委員」
 見え消しの7ページの「I 基本的な方針」、ここで他の者との平等とは障害のない市民と同様にするという意味であり、障害者に何らかの特権を認める趣旨ではないということを今回消していますけれども、これは消す必要がなくて、このまま載せるのがいいのではないかと思います。れを入れていただきたいというのがあります。
 
②「後藤委員」
・次のところ、新谷委員から御意見がありました7ページの下のほうで、「特権を認める趣旨ではない」というところですが、私はここがなくなったのはむしろよかったと思っていました。
 深い議論が要るでしょうから、私の受けとめを申しますと、特権をという言葉は誰に向かって言っているのか、当事者が過剰な期待をしないように戒めるという意味なのか。
 それだったら、こんなところで言われたくないという感じだと思いますし、権威者や当局に対して過剰なことは言いませんから認めて下さいと最初から頭を下げて弁解しながら入っていくような、そのためにこういう言葉を使うのかぐらいしか私には思いつきません。
 別の議論もあるのかもしれませんが、どちらにせよ特権であるかないかの以前に「平等で同じ権利を認める」とすっと書いておけば、そのほうが本当に強いし、素直な表現で今の表現のほうがいいと思います。御議論させていただければと思います。
 
◆第4回から第5回への移り変わりはなんとなく分かった気がします。でも、どうして、そのあと「他の者との平等とは」は、なくなったのか。
その大きな飛躍のように感じる不自然さは、別に不思議なものではなかったのです。
 
【障害者政策委員会(第6回)「議事録」】より
【(第6回)で関係しそうな箇所】
①「加藤参事官」
 1ページめくっていただきまして4ページでございますけれども、「II 基本的な考え方」でございます。ここからが計画の具体的な内容ということでございまして、この部分は総論的な部分でございまして、基本理念、基本原則、横断的視点から構成されております。これらは、各分野の施策に共通する事項という位置づけをしてございます。
 基本理念では、障害者基本法1条に規定されておりますように、全ての国民が障害の有無によって分け隔てされることなく、相互に個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に向け、政府の障害者施策の基本的な方向を定めるといった旨を記述してございます。
 
②政策委員会の意見が反映されているように感じられないことについて。
○「福島委員」
 東京大学の福島です。
 これからパートIIですよね。パートIの差別解消法は、いろいろ課題はあるとはいえ、大きな前進だと思っております。今後の障害者施策の展開に向けての新しいステージに進んだなと。直接的には議員の皆さんの議決ではありますが、ここにいらっしゃる障害者関係の皆さん、そして内閣府厚労省ほか各省庁の皆さんの御尽力があったと存じますので、その点、本当にお礼申し上げたいと思います。 
 これからパートIIの障害者計画ですが、向こう5年間の具体的な施策を議論するわけですね。今、加藤さんのお話を伺っていると、最後のほうでさらっとおっしゃったところで、今日、私たちがこの政府原案について意見を出して、パブリックコメントをやって、その後、所用の手続を踏んで閣議決定とおっしゃっていました。前回7カ月前、去年12月に私たちの委員会で意見書を出して、それをもとに政府の内部ではさまざまな調整もいただき、さらに差別解消法案の成立などもいろいろありましたので、7カ月かかったということはよくわかるのですが、今日はこの原案をもとに議論して、これで決めてしまうのかというのが非常に気になっております。 
 この後、御説明があると思いますが、ざっと拝見した限り、失礼ながら、昨年の12月のものと比べてかなり後退してしまっている。後退と言ってはあれですが、必ずしも十分ではないと思います。この後、多分いろいろな議論が出ると思うのです。それを踏まえて、再度政府で調整いただいた後、果たしてこの政策委員会にフィードバックいただけるのかどうか。
 障害者基本法32条で、私たちのこの委員会は障害者計画のモニタリング、監視をしていくという役割があると同時に、障害者基本法第11条では、障害者計画を策定するプロセスにおいて、その過程において政策委員会の意見を十分に聞くことが明記されていますので、本日の原案をもとに、今日、我々が意見を出して、それで承りましたで終わってしまうのではちょっとどうかなと思うのです。
 少なくとももう一回、今日の議論を踏まえ、パブコメも踏まえて再度調整された案をどこかで議論いただく場、具体的にはもう一回政策委員会を開くなり、どうしても無理ならそれにかわる方法を何か考えるなりの検討をいただけないかなというのが私からのお願いで、希望です。これは、今日の議論の仕方、この後の議論の進め方にかかわると思いますので、失礼ながらあえて申し上げました。
 できれば統括官か審議官か、どなたかからコメントいただきたいのですが、以上です。
 
○「石川委員長」
 追加的な情報はございますか。では、佐藤委員、どうぞ。
 
○ 「佐藤委員」
 日本社会事業大学の佐藤久夫です。
 今の福島オブザーバーの意見と似ているのですけれども、12月に我々が意見を出したわけですが、今日出された原案というのは、その中のどれが生かされて、どれが生かされていないのか、その理由は何なのかというようなことがほとんど分かりません。
 よく読んで比較をすればわかるのかもしれないですけれども、できることなら、意見の一つ一つについて、これは生かされた、これはこういう理由で落とされたとか、お忙しいでしょうが、そのような資料をもとにしてきちんと議論をするということでなければ、政策委員会が尊重されたという感じにならないと思うのです。
 そういうことで、今、福島さんが言われたことに私も賛成です。
 
○「石川委員長」
 大濱委員、どうぞ。大濱委員までで一応内閣府のほうから答えていただきます。
 
○「大濱委員」
 脊損連合会の大濱です。
 例えば、今、分野別のところの「(2)在宅サービス等の充実」を見ているのですが、はっきりいって、政策委員会の意見が全く反映されていない。
 政策委員会の意見をほとんど無視したような内容でこうやってつくられるのであれば、政策委員会は何をやっているのだということになります。
 今、福島委員等から発言があったように、ここで意見を一回議論した後に、これをもう一度つくり直す機会をちゃんと与えてもらわないと、12月の段階に出した政策委員会の意見というのは何だったのだということになりますので、そのあたりはきちんと整理してもらいたいと思います。
 
○「石川委員長」
 それでは、意見が出ましたので、内閣府のほうからお答えいただけますでしょうか。
 
○「武川統括官」
 政策統括官の武川です。
 今日は、これから御説明をさせていただきまして、まず意見をいただきたいと思います。また、それを踏まえて政府内でも調整いたしまして、日程についてはその後もう一度考えたいと思います。
 
○「大濱委員」
 連合会の大濱です。
 今、言われたことは、この内容をもう一度作成し直して、もう一度政策委員会を開くという意味合いですか。
 
○「石川委員長」
 統括官の発言は、私が理解した限りでは、お三方からはいろいろな御意見が出ましたけれども、原案について全体の委員からの意見はまだいただいていない状態なので、今日とにかく議論をして、このままでは不十分であるというようなことになった場合には検討するといったお話であったかと思います。
 ここで何かを最初に決めずに、とにかく今日一日やりましょうということであろうと思います。
 浅倉委員、どうぞ。
 
○「浅倉委員」
 浅倉と申します。
 今の議長の取りまとめは3人の方の御意見を反映していないように思います。私も3人の方と同じような気持ちなのです。今日、私は12月の障害者政策委員会の意見を持ってきておりますが、これと対比すると言いたいことがたくさんあります。
 私たち、どれだけ議論したかというと、9月から11月まで1人が小委員会をふた回りやりました。
 つまり、3時間×6時間の18時間やりまして、さらに政策委員会を5回やりまして、それは全部で4時間ですね。38時間も議論したわけです。それで12月の意見をまとめました。
 昨日、自分で対照してみたところ、なぜこれが入らなかったのか、どうしてかということについて、ぜひ説明していただきたいという気持ちがありますし、言いたいこともたくさんあります。
 おそらく皆さん同じ気持ちだと思います。そうなると、これだけのメンバーが発言すれば、今日、到底、このまま取りまとめにはならないのではないかと危惧します。
 ですのでまず、時間内にできる限りの意見を聞き、後で文章でも提出する機会もいただき、その上で、もう一度まとめていただき、新しい基本計画案をもう一度出していただけるように期待します。そのことを最初に決めていただきたいと思います。
 以上です。
 
○「石川委員長」
 ありがとうございました。内閣府のほう、いかがでしょうか。
 
○「武川統括官」 
 まず最初に、枠をはめるということではなくて、今日はとりあえず意見を言っていただいて、それで考えさせていただけないでしょうか。
 政府の中もいろいろ調整してみたいと思いますので、今日は意見をいただきたいと思っております。その上で、必要性等についてまた相談したいと思います。

○「石川委員長」ありがとうございました。中原委員。

○「中原委員」 
 日本知的障害者福祉協会の中原です。
 ただいまの皆さんの意見を聞いて、私も同感です。
 自分なりに、去年の12月26日の意見を引き出して送ってくださった今日のこの資料と照らし合わせても、何がどう変わったのかというのがよくわかりません。
 2ページのほうで「この障害者政策委員会の意見に示された考え方を踏まえ」と言っているのですけれども、この意見がどの方向に集約されているのかというのが正直言ってよくわからないのです。
 皆さんのいろいろな意見を出してからということなのですけれども、少なくともこの辺の説明を少ししてくださらないと、意見が深まらないような気がいたすのですが、いかがでしょうか。ぜひお願いしたいと思います。
 以上です。

○「石川委員長」石野委員、お願いします。

○「石野委員」
 石野です。
 今、皆様方がおっしゃった御意見と同感です。
 実は、この計画を一読いたしまして、聴覚障害者関係でいいますと、例えば情報アクセスに関して意見を出しておりますが、「情報アクセス」という言葉がほとんど載っていません。
 非常に残念に思います。先ほど議題を考えたいというお話がありましたけれども、パブコメを出すのであれば、そのまま出すことは政策委員会としては納得できない。
 ですから、パブコメは修正を加えた上で出してほしいと思っております。

○「石川委員長」では、あと関口委員までで、もう一度、内閣府からお話をいただきます。

○「関口委員」
 障害者基本法によると、第11条4項に係ることをやるということで、ここには「内閣総理大臣は、関係行政機関の長に協議するとともに、障害者政策委員会の意見を聴いて、障害者基本計画の案を作成し、閣議の決定を求めなければならない」と書いてあるわけですけれども、この「聴いて」という趣旨は、今日しゃべった当事者、全国精神病者集団の関口明彦が意見を言った、聴きましたと。
 あとは決めますよということではないと思うのです。なので、11条4項の「聴いて」ということをどの範囲で捉えているのかということです。それをちょっとお伺いしたい。
 それから、先ほどから意見が出ていますけれども、我々が出した報告書と原案とがどこがどう違っているのだという対照表がないとよくわからないというのは、政策委員は資料提出することを求めることができるとなっておりますので、ぜひ出していただきたいと思います。
 以上です。

○「石川委員長」各委員からほぼ同様の意見が出ておりますが、内閣府のほう、重ねてもう一度お願いいたします。

○「武川統括官」
 政策統括官の武川でございます。
 私も今日、初めて出させていただきましたが、皆さんからそういう御意見が大変強いということでございますので、すぐ言えませんけれども、またそういう方向で調整いたしたいと思います。
 
・ただ、理念に関しては問題ないという視点があった。伝わればいいのだとは思うのだけれど、サマランカ宣言や障害者の権利に関する条約と国の出す文書がどこか離れているような気がするのはこういう理由だったみたいだ。
 
○「竹下委員」
 竹下です。1点だけお願いします。
 結論から申しまして、内容の充実をお願いしたいのですが、(2)の4番目の○の「外出のための移動支援」の部分です。IIのところで理念、原則、横断的な考え方等では、非常に崇高なといってもいい内容が記載されているわけです。
 とりわけ、総合的、あるいは有機的という言葉がよく使われるわけです。この障害者基本法というのは、分野別で進んでいく現実の行政、今の尾上君の言うまさに縦割りですね。
 それらをいわば統合するからこそ、この基本計画の意味があるし、ここに議論することの大きな位置づけがあるのだろうと思うのです。
◆というわけで、ごちゃっとしたわけです。議論された「他の者との平等」についてという視点は、どこかへ消えてしまったのでした。
 
3.おまけ
他にGoogleにヒットした、「他の者との平等とは」についての文言。
【全国身体障害者施設協議会「個別支援の実現に向けたケアガイドライン」(改訂新版)】
 「施設の職員は改めて概念整理を行わなければなりません。「障害」とは何か?「自律/自立」とは?「選択の自由」とは?「他の者との平等」とは?「支援」とは何か?「ケア」とは何か?「保護の客体から権利の主体へ」とは?、いかなることなのか?など、基本的な議論をそれぞれの事業所で行い、利用者を交えて共通認識を持てるように学び深める必要があります。

 

4.【結論】

私は、「おまけ」に示した文章を見て、「他の者との平等」については、平等についての捉え方同様に複雑で一定の決まった考え方ができるものではないと感じました。

その場その場の合理的配慮が変わるように、その場合に応じて、「基本的な議論、概念の整理をし、共通認識し」、「他の者との平等」を実現していく必要があるのだという考えに行き着きました。

スポンサードリンク